HONOR Magic V3、vivo X Fold3 Pro、OPPO Find N3を比較してみる

Smartphone

みなさんこんにちは。折りたたみスマホ愛好家の2Duoです。愛好してるわけではないんですが。今現在、たまたま手元に中華メーカーのグローバル版折りたたみスマホが3台あるので、これを機に3台を比較してみます。スマートフォンの評価軸って色々な分野に分かれると思うので、色々な観点から優劣を決めていきたいと思っています。

とりあえず最初にお伝えしておきたいのですが、この記事の内容は全て筆者の主観であり、利用者によって評価は変わるものであることをご理解ください。あと、グローバル版と大陸版の違いによっても評価が変わる可能性があります。再度お伝えしますが、筆者の手元にある3台は全てグローバル版です。

こいつらはなに

まずは比較する3台の基本情報です。

HONOR Magic V3

現メイン機です。下記記事で詳細レビューを出しています。

パッと挙げられる特徴としては、とにかく薄くてとにかく軽くて、サブ画面の比率が一般的なスマートフォンと変わりない点ですね。あとはスタイラスペンの入手ハードルが比較的低いです。

vivo X Fold3 Pro

Twitterでめちゃくちゃこの機種を推している方がいて、そこまで言うのなら確かめてみるしかないということで買った機種です。

X Fold3 Pro単体のレビュー記事は書いていません。なぜなら気が乗らなかったからです。その分この比較記事でお伝えできる情報を全てお伝えしたいと思っています。

特徴を簡単に挙げると、折りたたみなのにしっかり強い性能を持ち、vivoらしさがちゃんと出ているカメラが一番大きいですね。また、フォルダブル端末で唯一、超音波式指紋センサーを搭載しています。あとはサブ画面の比率が縦長です。好みの分かれるところだとは思いますが。

OPPO Find N3

こいつだけ2023年発売のモデルではありますが、筆者がこのモデルを初めて購入したのは2024のことであるため、ノーカンです。SoCもこいつだけSnapdragon 8 Gen2です。

下記記事で詳細レビューを書いています。OnePlus Openとの違いは本体色と搭載OSによる違いくらいで、あとは大体一緒です。

特徴としては、非常に目立ちにくい画面の折り目、OPPOとHasselbladの組み合わせの特徴がよく現れており、OnePlus 12とほぼ全く同じスペックのカメラといった感じです。

実際に比較してみる

比較していきましょう。どういう形式でやっていこうかなと悩んだんですが、こういう比較をしているレビュワーをcarwowしか知らないので、アレに倣います。比較する分野について、優れている順に3ポイント、2ポイント、1ポイントと付けていき、その分野に関して完全に役に立たない、あるいはダメな機種については0ポイントを付与します。最後に得点が一番多い機種が一番優れているということにとでもしましょう。

筆者の折りたたみ端末の使い方として、あまりマルチタスクをすることが少ないこともあり、いろんな視点で評価するためにいくつか評価軸の案を募集しました。その辺りも含めて、 個の分野で比較していきます。

持ちやすさ

まずは、スペック上の3機種それぞれの外寸、厚み、重さを見てみます。

HONOR Magic V3vivo X Fold3 ProOPPO Find N3
外寸(mm)156×145.3(74.0)159.9×142.4(72.5)153.4×143.1(73.3)
厚み(mm)4.4(9.3)5.2(11.2)5.8(11.9)
実測重量(g)235245256
サブ画面比率20:921:920:9
括弧内の数字は本体を閉じた際の数値です

MagicV3とFindN3に関しては背面の素材の違いによる重量の変化はありますが、概ねこんな感じです。

世の中の一般的なスマートフォンのディスプレイの平均比率は20:9だと感じています。それを基準にサブ画面の比率を考えると、XFold3Proの21:9というのは縦長寄りになります。逆に言えば、他の2台は閉じた状態だと一般的なスマートフォンにかなり近い操作感を得ることができます。この辺りは好みや用途にもよりますけどね。好きな比率のものを選びましょう。筆者はQWERTY入力をするほか、片手で使用した際の使用感を大切にしたいので、しっかり指が上まで届く20:9の方が気に入っています。

そんなことよりも一番感覚として伝わってくるのは厚みと重さの違いです。数字上で見ればMagicV3とFindN3の違いは1.4mm、また21gとそれほど大きいと感じられないかもしれませんが、人間の感覚とは繊細なもので、実際手に取ってみたり、数日使用してみるとMagicV3の薄さに驚きます。先述のサブ画面の比率や大きさとも相まって、本当に一般的なスマートフォンとほぼ変わらない感覚になります。で、その状態でMagicV3以外のフォルダブル端末を使用すると、めちゃくちゃ分厚い印象を受けてしまうんです。

ここまでは閉じた状態の話です。開いた状態に関しては、開いた状態の端末を片手で持つ人はごく少数派でしょうし、片手では操作性がかなり悪くなるため、そんなに大きく変わりません。確かにMagicV3は引き続き薄いですが、薄いから、軽いからといって、開いた状態ではそもそも本体が大きくなるためにどうせ両手で操作すると思うんですよね。

というわけで、一番薄くて軽いMagicV3に3ポイント、XFold3Proに2ポイント、FindN3に1ポイントです。

物理スイッチの操作性

左から、MagicV3、XFold3Pro、FindN3

MagicV3、XFold3Pro、FindN3の物理スイッチ部を並べた画像です。

本体の底面に小指を引っ掛けて持った想定で考えたいので、3台とも充電端子がある面を揃えて並べました。

MagicV3は音量ボタンと電源ボタンが並行についていないため、本体を開いた時と閉じた時でボタン配置が変わり、特に開いた状態で音量を操作しようとした際に虚無を押してしまうことがあります。購入からしばらく経っても引き続きこうなってしまうので、慣れでカバーするのは人によっては若干ハードかもしれません。

XFold3Proは一般的なフォルダブル端末と同様電源ボタンと音量ボタンが並行についており、特に戸惑いはありません。後述しますが、画面内指紋認証を採用しているため、電源ボタンがスッキリしているのもいいですね。MagicV3も十分スッキリですけど。

また、アラートスライダーを搭載しています。ボタンとしては非常に便利で、マナーモードの切り替えを瞬時に、本体を見なくとも行えるため便利ではありますが、このボタンが固く、かつあまり外側にツマミが出ていないため、爪でボタンの端を押してやらないとスムーズには動きません。慣れればその操作方法でやっていけそうではありますが。

FindN3とX Fold3Proは似通った配置ですね。ただし、FindN3の電源ボタン/音量ボタンは他と比べて上の方についており、手の小さい方にとっては若干操作性が落ちるでしょう。

アラートスライダーはやはりさすがOnePlusの技術といったところで、XFold3Proのような操作のしにくさは一切感じません。指の腹で普通にスライドできますし、3段階の調整ができるのも良いですね。

FindN3には全体的に上すぎる問題が、XFold3Proには硬すぎるアラートスライダーがあるため、それぞれ2ポイントずつです。MagicV3はなぜ音量ボタンを素直に電源ボタンの列に置いてくれなかったのかといったところで、1ポイントですね。アラートスライダーとかもないですし。

生体認証

3台とも、顔認証と指紋認証に対応しています。MagicV3とFindN3は側面に電源ボタンと一体の指紋センサーが組み込まれており、XFold3Proはメイン画面/サブ画面ともに超音波指紋センサーが採用されています。画面内指紋認証の利点として、画面側で認証できるため、端末を机などに置いていても持ち上げることなくロック解除できたり、左手でも自然に認証できるという点があります。

3台とも、ロック解除にかかる時間や精度についてはほぼ同じレベルです。ちゃんと計測すれば違うかもしれませんが、体感上はもう同じですね。

筆者としては側面指紋認証に慣れてしまったので特に不満はありませんが、一般的に見て画面内指紋認証の方が便利なので、ここはXFold3Proが3ポイント、MagicV3とFindN3にそれぞれ2ポイントですね。

本体性能

AntutuとGeekbenchを実行してみました。スクリーンショットを載せると長ったらしくなってしまうので、下記の表にまとめています。

HONOR Magic V3vivo X Fold3 ProOPPO Find N3
Antutu(Ver10.3.7)170797319544741486657
Geekbench CPUシングル:2089
マルチ:6283
シングル:2173
マルチ:6374
シングル:1543
マルチ:5194

ちなみに、MagicV3のみメイン機としてしっかり設定し使用してしまっており、そのままではバックグラウンドプロセス等の影響でベンチマーク結果に差が出るため、ほかの2台も同じように設定し、SIMも刺しています。また室温にてケースを外した状態で実行しています。

FindN3はSnapdragon 8 Gen2を搭載しており、他の2台は8 Gen3であるため、単純なSoCの差も現れた結果とはなりましたが、それを踏まえて一番スコアが高かったXFold3Proに3ポイント、MagicV3に2ポイント、FindN3に1ポイントです。

カメラ性能

一般的な撮影をする上では3台ともしっかり撮れており、MagicV3は明るめな写真が、XFold3Proも同じくVivoらしい明るい写真が、FindN3はOPPOの明暗がはっきりした独特な写真が撮影できます。3台の違いとしてパッとあげられるのは、テレマクロ対応の有無や撮影できる状況の幅でしょう。XFold3Proが一番優れており、望遠カメラの最短焦点距離は実測値で15cmで、Vivoらしい星空や夜景の撮影も行えます。

写り方の違いは好みの問題だと思うので、ハードウェアスペックとしての強さ順に、一番望遠レンズで寄れるなど一般的なカメラスマホに近いXFold3Proに3ポイント、FindN3に2ポイント、どこともコラボしていない故になんとも評価できないMagicV3に1ポイントです。

バッテリー性能

PCMark Work 3.0 battery lifeを使用しました。結果は以下の通りです。

HONOR Magic V3vivo X Fold3 ProOPPO Find N3
Work 3.0 battery life8h 30min10h 45min9h 14min
スペック上の電池容量5150 mAh5700 mAh4805 mAh

SoCの違い、電池容量の違いなどが直結するテストではありますが、やはり大容量バッテリーを搭載しているX Fold3Proが1位ですね。MagicV3をFindN3が上回る結果になったのは意外でした。

XFold3Proに3ポイント、FindN3に2ポイント、MagicV3に1ポイントです。

ディスプレイ

メイン画面

FindN3が一番小さく、7.82インチです。続いてMagicV3の7.92インチ、XFold3Proの8.03インチと大きくなっていきます。

FindN3
MagicV3
XFold3Pro

XFold3Proのディスプレイは角がより角ばっており、実物を見た際に数値以上の大きさを感じます。

ディスプレイ輝度はスペック上はXFold3Proが一番明るいようですが、特に他の2台でも不満はありませんでした。

MagicV3、FindN3には周囲の色温度に合わせてディスプレイの色温度も自動で調整する機能が搭載されているのですが、XFold3Proにはそれがないため、周囲の環境によってはディスプレイが冷たく見えることがありました。見つけられていないだけで機能存在してたらごめんちょ

サブ画面

比率やサイズについてはすでに上の方で触れているのでここでは触れませんが、個人的に感じた大きな差はAODです。

MagicV3のみ、常時表示ディスプレイに全画面画像を設定することができます。別に時計だけの表示でも十分ではあるのですが、iPhoneやGalaxyの間で最近使えるようになった機能であり、それにフォルダブルながら対応しているのはかなりアツいです。

結論

単純なディスプレイ性能では3台ともほぼ同じだと感じました。HONORのAODの充実性を評価したいので、MagicV3を3ポイント、他の2台を2ポイントとします。

スタイラスペン

MagicV3とFindN3はスタイラスペンに対応しており、XFold3Proは非対応です。

とはいえFindN3に対応するOppo Penは高価かつ入手難易度が高く、それに対しMagicV3に対応するHONOR Magic Penは比較的容易に入手できます。

MagicV3のレビュー記事でも触れましたが、スタイラスペンの使い心地はかなり良いです。

そのため、ここではMagicV3に3ポイント、FindN3に2ポイント、XFold3Proに0ポイントです。

搭載OSの使いやすさ UIの面で

MagicV3はMagic OSを、XFold3ProはFuntouch OSを、FindN3はColorOSを搭載しています。

折りたたみスマホ要素が関係ない部分のOSの洗練度としては、FuntouchOSはAOSPみが多く感じられ、工夫や洗練さが見られにくいため、必然的にMagicOSとColorOSが優位だと感じます。

例えばこれは設定画面のスクリーンショットですが、親メニューと子メニューの分割位置だけでもすでにその洗練度が感じられるのではないでしょうか。

また、パンチホールの処理の方法に違いがあります。YouTubeを例として開いていますが、下記画像はYouTubeのトップ画面を横向きの画面で表示した際の様子です。パンチホールがある一番左のエリアまでコンテンツが来ているか、来ていないかといったところで、XFold3Pro以外は最適化されているように見受けられます。

MagicV3
FindN3
XFold3Pro

折りたたみスマホの実用例としてよく挙げられる、電子書籍の閲覧も試してみました。Kindleで漫画を開いた際の画面で比較してみましたが、3台とも縦画面では1ページの表示になり、横向きにすると見開き表示になりました。

大画面をしっかり生かした、見ていて気持ちの良いUI作り、またアプリの最適化の度合いを考えると、MagicV3とFindN3はほぼ同レベルだと感じます。とはいえ、ColorOSのみが画面回転をする際に回転ボタンが出現し、筆者としてはこの機能は非常に重宝しているため、FindN3を1位、MagicV3を2位、XFold3Proを3位とします。

搭載OSの使いやすさ マルチタスキングの面で

マルチタスキングの面で、3台それぞれの特徴を先に挙げます。

Magic V3

画面分割+小さいウインドウを2つ で合計4つのアプリを同時に前面に出すことができます。

明確な特徴として、使いやすいドックが挙げられます。下記写真の通り、iPadに似たドックが画面下から引き出す操作を行うことで出現します。

この点では、他の2台は表示/非表示をナビゲーションバーの長押しで行うタイプであることから、サッと出して不必要な時にサッとしまうことができないため、Magic V3が一番優れていると感じます。

また画面分割を縦向きに行うことができます。用途はいまいち思い浮かばないですが、機能の豊富性で考えるとここも優れた点と言えそうです。

X Fold3 Pro

MagicV3と同じく、合計4つのアプリを同時に前面に出すことができます。

下記動画でも実際に動かしているのですが、一瞬少しだけ折り曲げてからまた戻すと分割画面になります。他社にはないおもしろい機能だと感じました。

Find N3

ディスプレイの真ん中上部から2本指で下向きにスワイプすることで、画面分割モードを呼び出すことができるため便利です。

また、メイン画面の比率のままアプリを最大3つ同時に開くことができ、瞬時に3アプリ間を跨ぐことができます。

結論

完全に個人の感想でしかないですが、iPadに近い操作感を得ることができたMagicV3が一番気に入っています。

次にFindN3のメイン画面比率でのアプリ同時起動がオリジナリティの出ている機能だと感じたため2位ですね。XFold3Proにはそこまでのインパクトを受けませんでしたが、折り曲げる動作を画面分割のトリガーとして採用している点がおもしろく、同じく2位とします。

本体を曲げて使用する場合

スタンドを使用しなくとも見やすい角度に調整してコンテンツを消費できることは折りたたみスマホの優位性の1つだと思います。そのような使い方をする際、ヒンジの角度調整の幅は重要なことだと感じているのですが、この観点で保持される最大角度でそれぞれ開いた際の画像が以下です。

単純に機能の幅として見る事ができると思いますが、XFold3Proに3ポイント、MagicV3に2ポイント…としたいところですが、正直もっと倒れてくれないと実用性としてはかなりイマイチなので、MagicV3とFindN3は1ポイントとします。

まとめ

とりあえず得点の合計です。

HONOR Magic V3vivo X Fold3 ProOPPO Find N3
得点192420

結構手抜き記事になってしまいましたね。あまりゆっくり比較する時間がなかったのと、XFold3Proが他の人の評価ほど魅力的ではなかったので、執筆完了が遅くなってしまいました。

筆者としてはFindN3(当時はOnePlusOpen)が人生初の中華フォルダブルであり、思い入れのある機種だったので今回改めて購入しましたが、MagicV3を使用した上での購入であったため、やはり分厚さと重さは感じましたね。とはいえHasselbladコラボの色味がちゃんと出ますし、独特の丸みを帯びたデザインも好きですし、今でもお気に入りの1台です。

XFold3Proについては、X100Ultra同様、カメラ以外別に特に欲しいポイントがないといったところでしたね。もちろん画面内指紋認証等の機能はかなり評価できるポイントですが、FuntouchOSがあまりにも面白くなくて残念です。この機種についても、MagicV3を使用した後だとやはり重たさと厚さを感じてしまいますね。

MagicV3ですが、メイン機として購入しすでに数ヶ月使用していたこともあり、自分の中の評価基準がこれと比べてどうか、になっていた部分はあります。この機種はこの機種で、薄くて軽い点は非常に強い一方、カメラ性能が普通であることが残念です。筆者は別でXiaomi 14 Ultraも持ち歩いていたため、カメラ機能を本気で使用する機会はありませんが、カメラ特化スマホもあれはあれで一度使ってしまうともう他の一般的なスマホのカメラじゃ物足りなくなってしまいますからね…

以上です。

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