iPhone 16 Pro Max ファーストインプレッションレビュー:これ15ProMaxでよくない?

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みなさんこんにちは。2Duoです。毎年恒例の、iPhoneのいっちゃん良いやつを買うやつを今年もやりました。まだ発売日からあまり経っていないため、ファーストインプレッション的な位置付けで見ていきたいと思っています。

これは何

Appleが2024年に発売したiPhone16シリーズの一番大きいフラッグシップモデルです。去年の15Proシリーズでは、ProとProMaxで望遠カメラのスペックに差がありましたが、今年のProシリーズは画面の大きさと電池容量以外は全て同一スペックです。

搭載SoCがA18 Proとなり、先代のA17 Proより若干性能が向上しています。実使用上での違いはさておき。

iPhone 16 Pro Maxの外観

まずは背面から見ていきます。うーん、15ProMaxとの違いはありません。

続いて前面です。画面の縁が狭くなりました。また画面サイズも大きくなっており、先代の6.7インチから6.9インチへと変更されています。縁が狭くなったことと画面サイズが大きくなったことの相乗効果により、実測値で、画面の表示部は縦に約4mm、横に約1.5mm広くなっています。

側面に移ります。先代は非常に薄いヘアライン加工のようなものがされていたのですが、16Proシリーズではそれがなくなっています。個人的にはこちらの方が好きです。

またカメラコントロールボタンが電源ボタンの下に加わりました。物理的な押し込みと、それよりも軽い感圧式の押し込みを検知します。またボタン上をスワイプすることでさまざまな機能を利用できます。

iPhone 16 Pro Maxの特徴

カメラコントロールボタン

おそらく15Proシリーズからの最大の目に見える変化はこれです。

カメラコントロールボタンは半押しと通常押しができます。半押しについては一般的なカメラのような物理的な動きではなく、TapticEngineを用いた擬似的な半押しです。通常押しについては、他の電源ボタンや音量ボタン、アクションボタンと同じような押し感です。

カメラを起動した後、半押しすることでスワイプ操作を受け付けるようになります。スワイプ操作は半押しの状態を維持する必要はなく、ただ撫でるだけで反応します。

また2回半押しをすることで、スワイプによって調整できる項目を切り替えることができます。

4K120fpsでの動画撮影

これが地味にありがたいです。水しぶきなどの、一瞬でも撮り逃したくないものが映る時に重宝します。とはいえデメリットもあり、マシンパワーを食うため電池の減りや発熱が極端になったり、そもそものデータ容量が大きくなったり、特定の環境でしか再生できなかったりします。

長くなったバッテリー駆動時間

iPhone 16 Pro Maxの電池容量は4685mAhです。先代の15 Pro Maxは4522mAhとなっており、数値上だけではそれほどの変化はないのですが、カタログ値ではかなり駆動時間が伸びています。おそらくA18 Proの電力効率が上がっていることが大きいんじゃないでしょうか。実際に使用している中でも、電池持ちに余裕を感じます。

ベンチマークスコア

AntutuおよびGeekbenchを実行してみました。結果は下記のとおりです。

Antutuはこのようになりました。約14.7%のスコア向上が見られています。

そしてGeekbenchのCPUスコアがこんな感じです。スコア向上率はシングルスコア、マルチコアともに約1.2倍といったところです。

最後にGPUスコアです。向上率は約1.16倍といったところでしょうか。

iPhone 16 Pro Maxのここがイマイチ

微々たる性能向上

先ほど上で挙げたとおり、先代の15ProMaxとのベンチマークスコアの差はわずかなものです。実使用上でも、差を感じるシチュエーションは今のところありません。

またハードウェア性能の面で、例えばカメラ性能が上がったのかといえばこれまたそんなことはなく、48MPがどうだのFusionなんたらがどうだの言われていますが一緒にしか見えません。

元から十分強いスペックではあるんですけどね。あくまでiPhone15ProMaxと比較した際の話です。

カメラコントロールボタン

記事執筆時点で、カメラコントロールボタンでできることは名前の通りカメラのコントロールです。

将来的にApple Intelligenceが提供されればこのボタンの使い道が増えるのかもしれませんが、何にせよ今はまだ、先ほど書いたような半押しと普通押し、またスワイプの操作しか行えません。

シャッターボタンを搭載したスマホはiPhone以外にもあります。例えばXperiaはかなり昔からシャッターボタンがついていますし、Xiaomi 14 Ultraも国内版に関してはカメラキットが無料で付属するため、それを使用すればシャッターボタンが使用できます。

これらのシャッターボタンと、iPhoneのシャッターボタンの大きな違いは、普通に押した際のボタンの固さです。

これがかなり大きな問題で、Xperiaや、またXiaomiなどのシャッターボタンは普通押しも軽い力で押せます。そのため押す際にスマートフォン本体が動くことがなく、ボタンを押す力によってブレることがありません。

その点iPhoneのカメラコントロールボタンは普通押しに必要な力が他の電源ボタンや音量ボタン、またアクションボタンと同じようなものです。その結果どうなるかというと、カメラコントロールボタンを普通押しするたびに本体が動きます。

これが結構最悪で、被写体を狙っていっていざ撮影、というときに、当初意図していた撮影位置とは違う位置からの撮影となってしまうため、撮影結果が微妙にずれたり、そもそもシャッターを切るタイミングが合わなくなってしまうという問題が起こります。

そのため筆者は、カメラコントロールボタンはカメラの呼び出しと、半押し2回でズームのスライダーを出すために使っています。一度スライダーを出してしまえばあとは画面上のスライダーをスワイプすることで調整できますしね。そっちの方がカメラをコントロールしやすいです。

来年の17シリーズに期待です。

メインカメラ

ここ最近のiPhoneはメインカメラのセンサーサイズが大きくなってきており、またレンズの明るさも明るいものになってきています。ここで起こる問題が、被写体に寄った際にピントが合う範囲が狭まってしまうというものです。

これは昨今の比較的大きいセンサーが採用されているカメラを搭載したスマートフォンではよくある問題で、XiaomiやHuaweiなどはこれを解決するためにメインカメラに可変絞りを搭載しています。

そうすることで、絞りを開いた状態では一つの被写体にだけピントを合わせて、少し前後関係がずれているものは全てぼかしてしまうような撮影ができ、絞りを絞った状態では写真に映るほぼ全ての要素にピントが合った状態で撮影できます。

可変絞りがある場合とない場合の写り方の違いは下記記事を参照してみてください。

で、その可変絞りが搭載されていないiPhoneで苦痛になってくる場面として、例えば書類撮影などが挙げられます。書類撮影は撮影したい書面の端から端まで全てピントが合った状態で撮影する必要があり、それをiPhoneでしようと思うと0.9倍に引いて撮影する、あるいは撮影したいものから少し離れた上で2倍等にデジタルズームをする必要があります。

ちょっと不便なので、早いところAppleはiPhoneに可変絞りを搭載するべきだと思います。あとついでにGoogleもPixelに可変絞り付けてね。

画面角のアールが変わった

16ProMaxで一番残念なポイントの話をします。まずは下記画像をみてください。

左がiPhone 15 Pro Max、右がiPhone 16 Pro Maxです。画面の角のアールが変わったことで、Dynamic Islandの表示の縁およびホーム画面下部のドックの縁、これとディスプレイのハードウェアの縁との間の距離が一定ではなくなりました。

これをやっているのがデザインにこだわっているAppleだからこそ、これはちょっと理解できません。なぜこれでいいと思ったんでしょうか。

もしかしてApple Intelligenceが公開されたら画面縁の使い方が変わって、ドックやDynamicIsland拡張時の寸法も変わるんでしょうか?それなら納得ですが、何にせよ記事執筆時点でApple Intelligenceはまだ利用できないため、なんとも言えません。

iPhone 16 Pro Maxのここが好き

もちろん悪いところばかりのスマホではありません。というか流石に良いところがないと10万円台後半からの価格設定のスマホとしては厳しいものがあります。ということで良いところです。

めちゃくちゃ狭い画面縁

個人的に今まで使用してきたスマートフォンの中で一番縁が細いです。かつ4辺均等の幅なので、技術の進歩を感じます。これまで使用してきたiPhoneは青色で、今回はフレーム色がシルバーのため、画面表示部の外側の黒い部分が減っているというのはあるのですが、それでも画面を見た時に受ける印象は変わってきます。

Appleのエコシステム

やはりここが強いです。筆者は今、身の回りの電子機器がなぜかApple製品で固まっており、パソコンはMacBook、タブレットはiPad、時計はApple Watch、イヤホンはAirPods、ヘッドセットはVisionProなどといった感じになっています。

この環境だと、クリップボードが共有されることにより、あっちでコピーしたものをこっちで貼り付け、とかが容易だったり、また写真をAirDropで簡単に共有できたりするわけです。

Huaweiなどもエコシステムを作っていることは知っています。でも国内で環境を作る際の容易性や国内での入手難易度を考えると、Appleのエコシステムが一番構築しやすく、簡単に恩恵を受けられるのではないでしょうか。

そもそも高い基本性能

先ほどは上でiPhone 15 Pro Maxとの比較としてわずかしか性能が向上していないと書きましたが、それでもそもそも性能は非常に高いです。ストレスを感じる場面はなく、UIも滑らかに動きます。

フラッグシップ端末としての完成度

iPhoneは毎年、性能以外のユーザー体験に直結する部分にも注力されています。例えばスピーカー性能は、広い範囲の音がしっかり出るほか、本体を横向きに持った時にしっかり左右のバランスが取れています。

またDynamic IslandのアニメーションをはじめとしたUIの様々なアニメーションも洗練されており、AndroidでiOSのアニメーションを超えるOSは個人的に見たことがないレベルです。

まとめ

良いところの項目を見ればすぐわかることですが、これ別に16ProMaxじゃなくてもほぼ同様の体験はできます。

筆者は毎年買っているからという理由だけで今回もiPhone 16 Pro Maxを購入しましたが、別に現状に不満がないならあえて16ProMaxを購入する必要はないでしょう。

iPhone 15 Pro Maxとの違いは、実質画面の大きさと電源効率の向上、そして画面角のアールの違いくらいでしょう。Apple Intelligenceの対応機種などの要素も考えると、14Proシリーズ以前からの乗り換えはアリかもしれません。

15 Pro Maxをお使いの方は、この使いにくいシャッターボタンと、4K120fpsでの動画撮影、また長くなったバッテリー駆動時間に魅力を感じられる場合は乗り換えを検討してみるのもアリかもしれません。

以上です。

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