HUAWEI Mate XT 長期使用レビュー:意外とメイン機になれる

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みなさんこんにちは。2Duoです。2025年もよろしくお願いします。今年初記事です。

筆者がMate XTを購入したのは2024年11月の末の話です。そこからずっとメイン機として今日まで使ってきました。さすがにそれだけの期間使い続けると、メリットデメリットがはっきり見えてきます。

この記事では、3ヶ月という期間にわたりメイン機としてMate XTを使用してきたうえで、改めてMate XTについてレビューしようと思います。

これはなに

HUAWEIが2024年9月に発表した世界初の3つ折りスマートフォンです。詳細は購入直後に書いた下記レビューを参照してください。

筆者はこのスマートフォンを2024年11月26日に購入しました。

この日から早速メイン機としての使用を開始しており、早いものでもう3ヶ月経ちました。

購入直後のレビューでは今ほどMateXTの詳細まで知らずに書いていた部分はあるため、今回改めて、特にこの機種のメリットデメリットについて語りたいと思います。

Mate XTのここがイマイチ

GMSを無理やり入れていることの弊害

いくつかあります。これについてはMateXTがどうといった話ではなく、HarmonyOSにGMSを無理やり導入しているために起こる問題かもしれません。基本的に全ての機能が問題なく動作するのですが、例えば以下のような問題を経験しています。

GBoardの予測変換が押せない時がある

GBoardの予測変換がタップで反応しない問題が数日に一回起こります。これはMateXs2含めこれまで使用してきたHuawei機全てで起こっているので、GMSを無理やり導入したHuawei機にて起こる問題のようです。一旦予測変換をスペースキーとEnterキーで選択して変換候補欄に何もない状態にしてから再度打ち始めると、予測変換がタップで選べるようになります。

動作が不完全なアプリがある

筆者の環境でこれを確認したのは、ルンバをコントロールするための「iRobot」アプリです。下記は実際にどのような表示になるのかのスクリーンショットです。正常に表示されるXiaomi 14 Ultraでの画面表示も比較用に掲載します。

タスクキルしたら最後、正常に動作しなくなるアプリがある

基本的には普段なんの問題もなく動作しています。この問題が起こるのは数日に1回、多くても1日に1回です。これまでに起こった具体的事例は下記のような感じです。

Google Chrome

Chromeアプリそのものが開かなくなるケースや、ページの読み込みができなくなる/アドレスバーに何か打ち込んで検索しても画面が推移しない時があります。そうなるとChromeをタスクキルして再度開くことで解決します。この問題は基本的に体感で毎日起こっています。普通にChromeでインターネットを閲覧する時にはChromeだけタスクキルすればいいだけの話であり単純なのですが、ホーム画面にショートカットを追加したPWA(例えば筆者の環境ではMisskeyクライアントを多用します)を開こうとしてこの問題が起こると面倒です。タスク一覧画面より、PWAとChromeどちらも一度タスクキルする手間が発生します。

Twitter(現X)

5回ほど起動画面のまま固まり、起動しなくなってしまったことがあります。Chromeのようにタスクキルしてもこちらの場合は起動するようにはならず、本体の再起動でも問題が解決しなかったのですが、アプリのデータを消去することで再度使えるようになりました。タスク管理画面にてタスクキルされないように鍵をかけておくようにして以来、この問題は発生しないようになりました。

Discord

Discordも記憶の限りでは2回ほどTwitterと同じ状況になってしまったことがあります。Twitterと同じ方法で問題が解決し、その後の対策もTwitterと同様です。

やっぱり慎重になる取り扱い

特に冬はそうなのですが、かじかんでいる状態の手で屋外で使用するときに怖さを感じています。落としてしまったらほぼ確実に画面は故障しますしね。とはいえ室内ではこの種の怖さはありませんし、ディスプレイが外側に露出している時点で多少の傷はついてしまうものだと認識しているため、寒い時期の屋外以外では普通のスマホと変わらない感覚で扱っています。

一応、その普通のスマホと変わらない感覚で3ヶ月使った後のディスプレイの様子の写真を貼っておきます。構造上当たり前のことですが、普段から触ることになるいちばん左の面に傷が多く見られます。

これは多分通常利用する上でスクロールした際についた傷です
山折側の折り目に、爪で押したような線傷がついています
これは知り合いの5歳児に貸した時についた傷です
10cmの高さから鋭利なものに落としてしまった際についた傷です

M-Pen

購入直後のレビュー記事でも触れた通り、実はMateXTはM-Pen 2sに対応しています。メモアプリ等で筆記できますし、ペンのボタンを2度押すことで消しゴムに切り替えることもできます。

とはいえ筆者はこのペン周りで3つの不満を抱いています。

消しゴム切り替えの操作

消しゴムとの切り替えを、本体側面のボタンを2度押す仕様に不満を抱いています。

これはM-Penで初めて感じた不満ではなく、HONOR Magic Penでも同様の不満を抱いていました。こんなところで下手にAppleの真似をしようとしたのか知りませんが、せっかく誤動作・誤反応の少ない物理ボタンなのですから、2度押しよりもっと良い切り替え方法があったと思っています。このボタンの押し圧がまた少し強めの力を入れないといけなくなっており、使いづらさを感じます。

若干の書きづらさ

iPadとApple Pencilの組み合わせが優秀すぎるのか、MateXTとM-Penの組み合わせが悪すぎるのかわかりませんが、描き初めに筆記が認識されない一瞬が発生するため、特に高速で筆記する際に画面に当たっているのに反映されない部分が多めに発生してしまい、それが文字として書いたときに読みづらいものとして現れてしまいます。これがストレスとなっており、あまりMateXTのスタイラス機能が優秀なものだとは思わなくなってしまいました。

PDFへの書き込み

筆者はMateXTを、iPadとAndroidスマホを1台にまとめたいと思って購入しています。そのためこれまでiPad+ApplePencilを用いて行なっていた全ての作業をMateXTで行なっています。その面で特にiPadと比べた際の不満となるのが、PDFにペンで書き込むツールの不足感です。

現状筆者はGoogleドライブのPDF編集機能を使用していますが、これだと消しゴムとの切り替えをペンのボタンを用いて行うことはできません。また書き込み後のPDFファイルは強制的にGoogleドライブに保存することになります。

Adobe Acrobatを用いて書き込むこともできるのですが、こちらには消しゴムという概念がなく、戻るボタンで戻っていくか、描画を全て消すかしかなく、実用性という面ではかなり厳しいと感じました。

マコモAndroid

執筆時点で、中国版のMate XTにはHarmonyOS 4.2が搭載されています。これはAndroid12をベースに開発されているOSで、現行のAndroidバージョンが15であることを考えるとやや古めだという印象を受けます。

セキュリティパッチは現時点で2025年1月1日のものが適用されているのでその点での心配はありませんが、ちょっと古いOSが動いているのもあまり好きではないですし、とっととHarmonyOS NextをMateXTにも流して欲しいところです。Puraや折り畳めない方のMateではすでにNextが降ってきているので、数ヶ月も待てば降ってくるとは思いますが。筆者は少なくともNextが降ってくるまではMateXTを使い続けようと思っています。

あとはAndroidバージョンには関係のないことかもしれませんが、現状のHarmonyOSに対する不満もあります。

例えば、HONOR Magic V3で搭載されていたiPadライクなドックを、せっかくこれほどの大画面を備えているのですから使えると嬉しいと感じます。言ってしまえばHONORも実質Huaweiみたいなところありますし、技術的には不可能じゃないと思うんですよね。ただこれに関してはMatePad上で動いているHarmonyOS Nextの映像でWindowsにおけるタスクバーのようなものが常時出現させられていたように見えたので、Nextに期待できるポイントです。

他にも、これはMateXs以降使っているHuaweiのフォルダブル機全てに言えることですが、なんでフォルダブル向けのHarmonyOS/EMUIってインストールされているアプリのアイコンが全てホーム画面に並ぶんですかね?ドロワー方式というか、ホーム画面で下からスワイプすることで全てのアプリが出せるアレが、折りたたみだと使用できないんですよね。謎です。

あとは購入当初に感じていた、アプリを3つ同時に並べてマルチタスクをしたいというやつですが、それは実際にMateXTを使用する中で不要だと感じました。せいぜいスマホで同時にやりたい作業なんて2つでしょうし、もし仮に3つ目のアプリを使用したくなったら、ポップウインドウとして表示できる3つ目の枠で使用すれば良いと感じます。実際にそのように使用しています。

無線充電

Mate XTは無線充電コイルを備えています。カメラ部の下側にコイルが入っていて、リバース充電も行えるようになっています。

ただ、この無線充電関連機能が本体を一番閉じた時しか使用できません。Huaweiのサポートセンターのスタッフによると、この点に関しては折りたたみデバイスだからと言って特段気を遣う必要はないとのことですが、それでも筆者としてはこれまでの経験上折りたたみデバイスを長時間使用しないときは画面を開いた状態で放置したく、なぜその状態で無線充電をさせてくれないのかが疑問です。そのため現状は充電時、画面を一番開いた上で有線にて充電を行なっています。

ちなみに余談ですが、折り畳んだ状態で有線充電をすると、下の写真のメッセージが表示されます。逆に。

誰か、開きっぱなしで無線充電してはいけない理由を教えてください……

Mate XTのここが好き

唯一無二の大画面スマホ

もうこれですよね。なんと言ってもこれです。

筆者が特に気に入っているMateXTの使い方を挙げてみます。

YouTube

ここ最近の世の中の大半の動画は16:9の比率で作られています。特にYouTubeに投稿されているような動画ではその傾向が多く見られます。

もちろん2つ折りの折りたたみスマホでも、一般的なスマートフォンよりは多少大きめにこの横長の動画を視聴することができます。

とはいえそれと比較すると、MateXTのこの画面サイズ、さらにはこの比率で視聴する動画はかなり迫力があります。

また全画面表示の際だけではなく、画像のように概要欄や関連動画を表示した際の画面の情報量も気に入っています。これが2つ折りとなると、コメント欄を表示した際に動画の下の方がトリミングされてしまうことがあります。このディスプレイサイズ、また比率であればそれが起こらないため、不快感がなくとても良いと感じます。

インターネットブラウジング

これは購入時点でのレビュー記事でも触れた点ですね。レスポンシブ対応されていないウェブサイトや、スマートフォン向けUIがイマイチなWebサイトを閲覧する際に、2つ折りスマホよりもPCのモニターに近い比率で表示できるため、助かっています。

2つ折りだとどうしても横幅に制約があり、一般的なスマートフォンよりは見やすいことに変わりはないですがやはりそれでも若干の狭さを感じますからね…

Misskey

筆者は昨年の秋頃よりMisskeyで主に生活しています。MisskeyではかつてのTweetDeckのようなデッキUIが使用できるのですが、これがスマートフォンなのにフルサイズで表示できるというのが良すぎます。

屋外や外出先ではあまり使用しませんが、家の中等の室内ではよく利用しています。

メイン機にしようと思えば意外となんとかなる

筆者の場合GMSを完全に捨てることは難しかったためGMSを導入した上でメイン機にしていますが、案外なんとか使用できています。

例えば通知に関しては、グローバル版のXiaomi14Ultraと同じレベルで届いています。(Mi14U同様、スリープ復帰後しばらくしてからまとめて通知が降ってくるなどは発生する。)

動かないアプリというのも基本的にないですし、サブ端末としてまともなスマートフォンがある場合には本当に困ることがありません。

ただしこれらがHarmonyOS Nextでどう変化するかはまだ読めません。使用感次第ではメイン機としての運用は厳しくなる可能性も大いに考えられます。GMSが乗らないので。

あとはカメラのレンズ構成として、望遠レンズの最小倍率が5.5倍であり、またその最短焦点距離は長いため若干の不満を感じることはありますが、カメラ性能まで求めるのは求めすぎかとも思うため、特段不満になっているというわけでもありません。

誰とも被らない感

まだMateXTを国内で所有している方を10人前後しか見かけていません。そのため、一種の優越感に近いものを感じます。

他人からのウケが良いのも気に入っています。そもそも3つ折りタイプの折りたたみスマホの存在を知らない人の方が多く、とはいえ2つ折りまではもうすでにある程度世の中にその存在を知られているため、さらにもう1段階広がるということ、またその薄さにたいてい驚かれます。そういう話題にならないと出しませんけどね。普段閉じて使っている分にはあまり何か言われることはありません。なぜなら我々スマホオタクとは違い、大半の人は一般的に他人のスマートフォンを注視することはないからです。

まとめ

書いてきたように、満足した点ばかりではありません。それでもこのスマートフォンの最大の特徴はその3つ折りディスプレイであることを踏まえて全体的に考えると、引き続きメイン機として使い続けたいと感じます。

筆者としては不満がなかったためここには挙げていませんが、客観的にスペックを読み取る限り、Kirin 9010の性能が低いことやディスプレイが90Hz駆動であることはマイナス要素かもしれません。とはいえ、折りたたみスマホの柔らかいディスプレイはゲームには不向きだと個人的に感じており、また90Hzのディスプレイもそうだと言われない限り、もしくはそれがわかっていてもカクカク感を感じることは個人的にはありません。

筆者の個体はすでにディスプレイが一部損傷していることもあり、もうしばらく酷使してからHuaweiにて画面を交換し、それから綺麗な状態で売却しようと考えています。

以上です。

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